mother concept

この作品のモデルは、実在する私の三女で彼女は脊椎の難病である。
彼女の体は人間に与えられるべき機能が幾つか不完全である。
しかし、それを補うかのように普通の人には無いものがある。
作品の浮遊した体は人を動かす彼女の不思議な力を表し、
舞い上がる髪は内から発するエネルギーを表現した。

彼女の小さな掌には輝く地球があり、
見つめる彼女は優しく穏やかに微笑んでいる。
作品頭部の機械は彼女にだけ見える地球の未来を人に伝えるためにある。
医学の過去、現在、未来を背負うこととなった彼女は、
積み重ねてきた人々の熱意や努力、愛、希望をその体で今も受けている。

mother 0002・0003の作品ケースは
母の胎内のように暖かく無菌状態で音もなく社会の風、
人の悪や欲望、病への不安を受ける事無く彼女の体、
そして心を守っている。
ケースの中は彼女にとって愛だけを
受けることの出来る唯一の安堵の場なのである。
生まれる前から多くの人の愛を受けてきた命。
彼女を守り支えてきた一人一人がタイトル「mother」なのである。

この作品の原点は愛である。

鑑賞者は心臓の鼓動、安定した心電図から彼女の体の安定を感じ、
見守り、鑑賞することでタイトルmotherの一人となり作品は初めて成立する
この作品はこの先も彼女の成長と共に生まれ進化していく。
一人の女の子の命と共に刻む歴史を見守り続けて欲しい。